最近のニュースから 「全米で在米中国人の抗議デモ」(編集部)


米ABCの中国人侮辱発言問題 全米各地で抗議デモ
テレビ朝日系(ANN)ニュース 11月10日(日)7時30分
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20131110-00000010-ann-int

 アメリカの人気コメディアン、ジミー・キンメル氏のテレビ番組で、「中国人を皆殺しにすれば良い」という発言があったことを受けて、全米各地で抗議活動が行われました。
 デモ参加者:「大量虐殺を促す発言で、すべての中国人と人類の感情を傷つけた」  
キンメル氏はすでに謝罪していますが、アメリカに住む中国人らの怒りは収まらず、放送したABCの拠点があるニューヨークなど、全米20都市以上でさらなる謝罪を求める抗議の声が上がりました。  〈ここまで引用〉

 詳しい内容は、10月16日に放送されたキンメル氏の深夜トーク番組のコーナー「キッズテーブル」で、中国からの借金がアメリカはとても多いのだけどどうしたらいいだろうか?という質問に対して、ひとりの子どもが「中国人を皆殺しにしたらいいよ」と発言し、観客が爆笑したあと、キンメル氏も「それいい考えだね」と同意する発言をおこなったのである。
 このやり取りに在米中国人は強く反発し、放送後、ABCテレビには抗議が殺到した。キンメル氏も米ABCも公開謝罪しているが、11月10日を過ぎても在米中国人の怒りは収まらず、キンメル氏の解雇などを求める抗議行動は全米各地26都市以上に拡大している。また、ひと月たってホワイトハウスに届いた抗議の手紙は10万通を越えている。  

 キンメル氏は、「申し訳なかったが、わたしはコメディアンであって、人を笑わせるのが仕事だよ」とコメントを出しているが、在米中国人の抗議が止む気配がないのには、一つには現在のアメリカ社会の抱える深刻な差別問題がある。
 日本では「格差社会」といったごまかしに近い言葉でオブラートに包んでいるが、アメリカでは民族による差別だけでなく、賃金などの経済的差別の拡大、さらに社会保障も含めた生存権や社会権に関わる差別の拡大が、2001年の9.11同時多発テロ以降目に余る状況になっていて、社会の基盤が危ういものになっている。  
 さらにもう一つ。現在のアメリカ社会の支配層の祖先たちによる過去の残虐極まりないアメリカ大陸侵略の歴史が、この20年間で相当明らかにされていることも忘れられてはならない。

 今回の事件で、ドイツ・ナチスと同じ用語、皆殺し(“You kill everyone in China,” )が用いられていると在米中国人団体は抗議しているが、アメリカ大陸の歴史そのものが17世紀から19世紀にかけて「皆殺し」の歴史でもあった。先住民族との間に結んだ180余りの条約をすぐに反故にして(ひどい例では、翌日に破っている)、西へ西へと侵略を続け、1000万人程度いたといわれる先住民族が20世紀前半には30万人程度になるまで殺戮を繰り返した。(この歴史については、藤永茂『アメリカ・インディアン悲史』朝日選書、鎌田遵『ネイティブ・アメリカン―先住民社会の現在』岩波新書 を参照していただきたい)
 こうした過去の歴史があるからこそ、発言者が子どもとコメディアンであってもジョークではすまないとして、全米で抗議活動が行われているのである。

 アメリカは米国債を通じて巨額の借金をしているのだが、その上位2か国が日本と中国である。この侮辱発言問題は、日本にも通じる問題でもある。成り行きを注意深く見ていきたい。
写真=ジミー・キンメル氏、attributed by Angela George,the Creative Commons
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