「危機」から「脱原発」への必然

 原発と軍事の問題は、深く関わり合っています。
 それが両方あわさって、人間の生命に大きな影響を与えています。ようやくいま、54基の原発が止まって――福島の4基は破壊されてしまいましたから、実際は50基ですが――少しだけ安堵の息をついています。

 しかし実際は、福島の原発は、燃料棒が溶け、そのメルトダウンしたものがどこに行ったのか、いまだにわからない状態で、ジワジワと放射性物質を排出し続けています。 
それから、各原発には使用済みの燃料棒を保管するプールというのがあり、そこに使用済み燃料棒が入っていますが、もし地震があったら臨界状態(原子核分裂の連鎖反応が一定の割合で継続している状態)になります。
 つまり、原発は運転を停止しているけれども、使用済み燃料がいつ暴発するかわからない、そういう危機的な状況にあるのです。 

 ところが、ほとんどのひとたちは、そういうことを感じないで暮らしている。つまり、止まっている原発が50基もあるということ自体、異常事態なんですね。
 その異常事態が、だんだん日常化して忘れられてきている。ですから、いまの、原発が止まっている状態を少しでも長く、とにかくそのまま維持して、脱原発の方向に向けていく、いまがその大きなチャンスなんです。

 私は橋下徹大阪市長の政治手法はまったく容認できないけれど、原発反対といっている点だけは認めます。しかし、夏だけ稼働してはどうかとか、よくわからないところがありますね(笑)。
 とにかく政府は、大飯原発再稼働を突破口に、次には伊方をとか、順番を決めているでしょうが、ごく当たり前に原発が動いている状況をつくり出そうとしています。
 ごく当たり前にというのは、私にいわせれば異常な事態なんですけどね。全原発が止まっている状態から再び稼働させるのは、異常な事態です。この「異常」をとにかく止めなければなりません。

  
写真=愛媛・伊方原発, photo by Amake, GNU Free Documentation License

 ご存じのように「さようなら原発1000万人署名運動」をやっていまして、これを官邸に持っていく。大江健三郎さんや内橋克人さん、澤地久枝さん、そういうひとたちと一緒に提出してきます。
 
 いま、政府がおたおたしている、というより、せめぎ合っている状況です。
 なんとか原発を維持したい、さらに再稼働させていままでと同じ状況に戻そうという政府と、それはもう危ないから止めようという勢力がせめぎ合っている。なんとか、こちらが押し返していく、原発推進勢力を止めて、このまま廃炉に持っていく。そういう転換点に、私たちはいるわけです。

澤地久枝・鎌田慧編著 丸木俊画『ほうしゃせん きらきら きらいだよ』より、七つ森書館
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