最近の新聞記事から NSCおよび秘密保護法案(編集部)

 日本版NSC(国家安全保障会議)を設置する法案が今国会で成立することがほぼ決定的となった。民主党が要求する若干の修正案を与党が受け入れることで合意した。(朝日新聞朝刊、11月6日)
 この法案は、アメリカ政府のシステムを踏襲し、「外交と防衛」に関してNSCが中心となり、情報共有と迅速な対応をすすめていくための制度改革という名目である。日本の縦割り行政の欠陥を糺して、問題処理の迅速化を図るという点では、正当性は高い。
 しかし、どんな法律・法案でも運用の仕方次第では、曲解もでき、とんでもないザル法や悪法として、国民を苦しめるものになる可能性はある。
 問題点を数点挙げてみよう。

1)アメリカとの共同軍事行動のための布石として、米政権から長年にわたって設置を求められていた。つまり、流れからいえば、NSCの上部機関としてアメリカ大使館、その後ろにオバマ政権がひかえるという構図、つまり属国化が一層強まる。
 
 
写真=安倍首相・オバマ大統領会談,ホワイトハウス2013年2月22日
撮影sconosciuto、
Whitehouse.govpublic domain
2)NSCとペアで提出することが画策されている秘密保護法案の問題。つまり、アメリカとの密約ともいえるNSC設置法案とだき合わせで、近代国家の体裁を完全にかなぐり捨て、国民に「見ざる・聞かざる・言わざる」を強要し暗黒国家を創りだそうとする悪法を、安倍政権は強引に通そうとしている。NSCとだき合わせのような体裁をとっている秘密保護法だが、「秩序の維持」「公益を守る」といった文を潜り込ませて、1925年の治安維持法レベルの恣意的な政治を可能にする法律を制定しようと企んでいる。
 マキャベリやホッブス以降、とめどなく暴走しがちな権力の暴虐や苛政に歯止めをかけ、いかに抑制するかが、近代政治、民主主義の課題であり、19世紀以降ようやくそのシステムが固まってきたのである。
 しかし、そうした近代政治で築き上げてきた蓄積を軽侮するような法案が秘密保護法にほかならない。もっとも重要なのは、権力がしばしば犯してしまう逸脱行為、犯罪行為に対する牽制、束縛を取り外すことができるという点である。

3)人びとの暮らしや社会のありかた、国のしくみを根底から突き崩すような内容の法案であるにもかかわらず、一部メディアをのぞいては、ほとんどとり上げようとはしない。
 たとえば、テレビはこの数日間ホテルチェーンなどによる「偽装・誤表示」問題を集中的に放送しているが、国民の目をくらますためのスクープと見えなくもない。しかし、図らずも与える側の不正を行う危険性やずるさを浮きぼりにし、消費者つまり与えられる側は不正に対して、じつに無防備なのだと思い知らされる。
 秘密保護法案もおかしいぞ、という真相が少しずつ国民の間に浸透してきている。東京新聞(10月28日)は共同通信の世論調査を掲載しているが、そこでは「82%の国民が「慎重審議」をもとめている」という結果がでている。
 この法案が、国会を何事もないかのように通過するようなことがあってはならないのは確かだろう。

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2013年11月07日(木) 01時16分 | | 編集


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