中国脅威論の裏で利益をあさる米国


中国の人権意識


 アジアの死刑大国の1つは中国である。政治犯にたいす処分が重いのは、2010年のノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏への処分でもあきらかになっている。
 同賞の選考委員会は、中国の非民主主義的な体制の実態をクローズアップした。そこに政治的意図があったことは疑いがない。

 しかし、劉氏は「一党独裁の廃止」や「都市と農村の平等」など、自分の意見を発表しただけなのに投獄されている。また、89年には天安門広部における民主化要求運動のハンスト運動を指揮したが、突入する軍の幹部と交渉し、市民の犠牲を最小限に食い止めた人物としても知られている。
 この非暴力の運動家を弾圧し拘束するなど許されるわけではない。受賞により中国の民主化が推進され、また劉氏への注目が集まることで彼の安全性が高まるなら、きわめて意義深い受賞といえる。
 
  この受賞について、中国側は「中国の法律を犯し刑罰を科された人物」への受賞だと主張。ノーベル賞を決める委員会のあるノルウェーとの会談のキャンセルなどもおこなわれた。

                 劉暁波 オスロ、10 December 2010 
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 しかし国際社会での重要な位置を占めようとするならば、中国の共産党独裁政権の人権に対する国際的な批判は、当然のことである。
 中国政府はインターネットでの関連の用語を検索できなくしたり、国際放送のニュースで劉氏の受賞部分だけ流れないようにするなど、国内で情報の伝播に注意をとがらせている。
 しかし、情報をまったく遮断することはできない。東西ドイツを隔てた壁が通信衛星を受信した国民によって壊れたように、民主化を求める市民に口コミで情報が広がることによって、民主化の圧力はますます高まっていくはずだ。   
 政府自らが民主化を進めていかないかぎり、現政府は存続できない。この受賞を民主化推進の契機とすべきだ。 

 この中国との問題で圧力を強め、利益の確保にはしっているのが米国だ。以前にも牛肉の輸入を再開させるのと引き替えに、クリントン国務長官は「尖閣は安保範囲」と発言した。かつての主張を繰り返すだけで、安全性の怪しい牛肉を売れるのだから安いものだ。  

 さらに今度は思いやり予算の増額も求めてきた。
 「日本の安全保障環境が悪化しているのだから減額できない。増額が必要だ。何か増やせるものはないか」(『朝日新聞』10年10月20日)
 このセリフは日米の協議で米側が繰り返してきたものだという。実態の怪しい中国脅威論にかこつけて、ハイエナのように米国が群がってきたというわけだ。
 この米国の要求に日本政府は屈し、環境対策費として数年間にわたり数十億円規模を、思いやり予算に加えることとなった

「鎌田慧の現代を斬る」より
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コメント

名無し #-

中国人は一億以上の人々が海外移住している
親戚知人に正しい情報が伝わるのはハンパないと思う
日本に対してのコメントを見ていても意外に正常な日本認識している人々もいて驚かされる
中国発だけの情報源なら考えられない

2013年10月28日(月) 13時17分 | URL | 編集


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