最新の新聞記事から 「特定秘密保護法案」(編集部)

 2013年10月18日、そしてこれからの1週間は、歴史に汚点を残す日々になるかも知れない。
 予想されていたことだが、与党の公明党が「特定秘密保護法案」を最終的に了承し、「政府は25日に閣議決定し、国会へ提出する。今国会で成立する可能性が強まっている」(朝日新聞電子版、10月18日)。
 
安倍晋三・マスクamazon 「特定秘密保護法案」は、公務員の機密漏えいに関する罰則規定という名目だが、その実体は危険な要素にみちている。政府が指定することになる特別秘密は、外交問題にかかわる軍事機密だけではない。
 「公共の安全・秩序の維持」(毎日新聞朝刊、8月13日)を含み、ときの政府が自由に決めるというものである。公共の安全、秩序の維持といった抽象的な規定では、どんなことでも秩序を乱す可能性があるとして、政府が指定することができる。指定するのは政府だけであって、国民を代表する野党も含めた国会議員は「指定」に関与できない。政府関係者は不正や残虐行為を行なおうが、特別秘密に指定しさえすれば、国民に知られることなく、何でもまかり通ってしまう。
 もちろんフクシマ原発の汚染水も、4号炉の不安定な核燃料棒の問題も、どんな事態に陥ったとしても国民は知らされることなく、多くの犠牲者が出ても、秩序の維持あるいは国益を守るという理由ですべてが秘密のうちに処理されうるのである。
 第二次大戦の悲劇のはじまりとなった1925年の「治安維持法」、1933年のヒトラーへの「全権委任法」にも匹敵する悪法にほかならない。


 さらに、秘密裁判をおこなう軍法裁判所の設置、非常事態宣言法まで政府は準備している。たとえば、平和を口にするだけで、軍事的な秩序を壊すとして秘密裁判にかけられる。あるいは尖閣などにみずから仕掛け、非常事態を宣言すれば、憲法も法も無視した超法規的国家体制をとることもできる。それは民主主義社会の完全な消滅、恐怖にみちた暗黒国家の現出にほかならない。
 1930年代の全体主義国家、ナチス第三帝国の再現はたんなるフィクションとは呼べないものになりつつある。7月の麻生発言は、誤解などではなく本気でのべた宣言だったようだ。
 
麻生太郎2013年7月14日 さきの衆院選・参院選での自民党の得票率は、ともに有権者全体の約20%。こうした危険な反民主主義的国家観の政党と理解して投票した有権者は、そのなかの10%程度ではないか。つまり、上の現政権の反民主主義的な政策を支持するのは、有権者の2%もいないと考えるのが妥当だろう。
 まして軍国化の犠牲になる可能性がもっとも高いのは、青少年である。労働環境の悪化、さらには集団安全保障の名のもとに世界じゅうの戦場に派遣される可能性が出てきている若い世代の不安を考え、その数を入れれば、2%どころかわずか1%程度の国民だけが現政権の反民主主義政策を支持しているにすぎない。そうした少数者の意思によって、大メディアはコントロールされ、日本社会の破壊がいっきに進行しているのだ。
 しかしそうした変異を支持しているのは、1%にすぎないのである。市民・国民の声がすこしでもまとまれば、平和で民主的な日本にもどすことは十分に可能である。本ブログでもしばしば呼びかけ、また読者からの声にもあるように、市民がそれぞれの思いをひとつにして声をあげ、運動すること。それで、事態はまだまだ打開できる。

 「知る権利」についても、公明党の修正案の重要な箇所に対しては、政府は妥協しなかった。たとえば「取材の自由」について、「政府関係者は「取材者が公務員に秘密を漏らすようそそのかしても『正当な業務行為』だから罰せられない」と説明するが、公明党は当初、「罰せられない」と明文化を求めており、後退した表現となった。」(朝日新聞電子版 10月18日)。知る権利に対して配慮するという文言は入れたが、「罰すること」に固執し、そのまま残した。取材の自由=国民の知る権利への政府側の敵対姿勢が、はっきりと表れている。

 「自民党プロジェクトチームの町村信孝座長は17日、「テロリストが雑誌会社をつくって『取材の自由だ』と言うこともありうる。訳のわからない『ジャーナリスト』もいる」と、(処罰は)その都度の判断になる可能性を示唆した。(朝日新聞 同上)

 自民党極右派の姿勢が、ここには明確にあらわれている。かつてのナチスや日本型ファシズムと同様に報道統制への願望がむき出しである。じぶんたちが完全にコントロールできると侮っている大メディア以外は、「訳のわからないジャーナリスト」と小馬鹿にし、ついには「テロリスト」呼ばわりをする。権力欲に囚われ、民主主義の約束事への最低限の配慮すらここにはない。国民の平和で幸福な未来像など、もはや想像することなどできないのだろうか。

写真上=Amazon associate license
写真下=麻生財務大臣、尼崎駅北口にて2014年7月14日 Photo by Ogiyoshisan
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