核燃料最終処分、楽観すぎる研究者

  北海道羽幌町へ行く用事ができて、日本最北の稚内空港から日本海側を南下した。例年なら秋冷の気候のはずだが、まだ暑さが残っている。

 迎えにきてくださったYさんにお願いして、幌延(ほろのべ)町の「地層処分実規模試験施設」の見学に立ち寄った。 
 幌延は岐阜県土岐市の「東濃地科学センター」と並ぶ「使用済み核燃料」最終処分の研究で知られている。
 30年前、その両方を取材でまわったのだが、そのとき、ここは買収されたばかりの農家に、有刺鉄線が張りめぐらされ、「立ち入り禁止」の高札があった。ふたりのガードマンが警戒していた。 
 いま、地下350メートルまで、3本の立て坑が掘削され、最終的には500メートルの地底に、6平方キロメートルの横穴が掘られる。そこに高レべル放射性廃液をガラスで固めた、4万本もの「ガラス固化体」を埋設する研究である。 

 しかし、道と幌延町は「実規模試験」は認めているが、放射性廃棄物の持ち込みは許可していない。いまや見通し困難な青森県の「再処理工場」で、生産予定のガラス固化体が鉄製の容器に入れられ、ここに運ばれる。 
 それが地下水で移動しないように、ベントナイトの布団状「緩衝材ブロック」で包み込む。が、すべて架空の話である。 
 布団蒸しにされた、ガラス固化体の模型を眺めながら、大地震があっても、これで10万年も保存できると考える、研究者たちの無責任な楽観性に驚かされた。
本音のコラム(東京新聞、2012年9月18日)

写真=幌延にある音類風力発電所,taken by achappe, クリエイティブ・コモンズ 表示 2.0 一般ライセンス
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