地域住民の活動が民主主義を甦らせる(福島瑞穂との対談)

福島 社民党がどう考え活動しているのかという動きがダイナミックに伝わる政党をつくりたいと思います。私も地方に視察に行く機会は多いのですが、ただ視るだけではなくて、もっとその地域の人たちの話を聞かなくてはいけないと思いますね。 

鎌田  日本も少しずつだけれど変わってきて、各地で住民投票が実施されています。その結果、中央官庁が行う公共事業を、地域住民の意思でストップがかけられる時代にもなった。 
 あちらこちらのダム建設は今止まったままだし、諌早湾のことについても水門の閉鎖は止められなかったけれど、拡張工事は進んでいませんし、原発の計画も中止が相次いでいます。
 ひと昔前はそういった運動は政党や労組が中心に行われていましたが、あまり実効性を持ち得なかった。
 今は地域に住む住民が、自分たちの生活に密着した問題として考え、立ち上がって成果を収めているのです。 

福島  おっしゃる通りで、どこまでそういった土台を社民党が楽しく豊かに耕せるかでしょうね。 

鎌田  再建とか地域おこしというと、すぐみんなホームランを打とうとするので、「一村一品」などと言って、無理やり名産品をつくりあげて勝負しようとします。でも一品がない一村もたくさんありますから、僕は「一村百品」という言い方をしています。
 いろいろな意見を持っている人に集まってもらい、多くの考え方のなかから問題を一つずつ解決すればいいのだから、ホームランのような一発逆転ではなくて、振り逃げでもデッドボールでもいいから塁に出ようという構想が必要でしょう。地域のなかにそういう意識を芽生えさせなくてはいけない。 
 社民党はイデオロギー集団ではないのですから、市民一人ひとりの感覚を大事にして、人間が人間らしく生きていくための運動を実践することが、その代表として国会に議員を送り込みたいという有権者の感覚にもつながっていくのではないですか。  

福島 たしかに地道な活動が必要でしょうし、私もそういう活動をしていくつもりです。でも悩ましいのは、目に見える形での急激な変化を望まれるのですよね。 
 一から出直すということを、もっと街頭宣伝などで発言すればいいのかな。やっぱり伝わりきれていないのでしょうか。 
 基本的人権の部分はもちろんだけど憲法九条は絶対に変えない、変えさせないという姿勢を繰り返し打ち出すなかで、社民党が変わったところを分かってもらいたいのですけど、これは私の認識が甘いのかもしれませんね。 
 私たちは「強い日本」を望んでいません。女性や高齢者、子どもたち、ハンディキャップのある人、働く人のための政党を社民党は目指していて、ごく普通に働き、子どもを育て、歳をとっていこうという普通の人ヘメッセージを送っているつもりですけれど、そこもつながっていないのですよね。

鎌田 今の日本の国づくりは、大国を指向したもので、政府はある種虚勢すら張った国を意識的につくっています。アメリカと同じような国を目指すことが日本にとってどういう意味を持つのか、アジアのなかでどう受け取られるのか、その議論がないまま、ここまできてしまいました。 
 いろいろな組織の壁はあるけれど、投票するのは個人なのだから、社民党は組織の壁を超えて、個人にたいして明確な主張を伝えるべきだと思いますね。 
 今どき組織の決めた通りに選挙に行って投票する人はあまりいませんよ。それは、組織に不満があるからです。けれど、組織の壁の向こう側にむけて、個人に希望を与えるようなメッセージを、社民党は大胆に発してこなかったのではないでしょうか。

写真=編集部撮影
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