最近の新聞記事から 秘密保護法廃止にむけて(編集部)

 秘密保護法のもつあいまいさと危険性を指摘しながら、法の廃止にむけて、先週末の各地方新聞に東京新聞や朝日新聞など多くは、第一面や社説ほか多く紙面を割き、また特集なども組んだ。テレビとは、対照的だった。
 法案を通す過程で、内閣府はパブリックコメントを募り、また福島その他での公聴会も開かれたが、圧倒的な反対多数であったにもかかわらず、民意はまったく反映されなかった。

「パブリックコメントとか民意をくみ取る仕組みが形骸化している。あきらめずにウオッチしていく」川崎市の会社員青木育代さん(46)は決意を語った。(東京新聞12月7日夕刊)

首相官邸への署名提出行動 選挙の投票率も低く、参政権の価値が理解できない国民の政治意識の低さがしばしば指摘されるが、議会制民主主義の形骸化は、日本だけでなく多くの国々がかかえている問題でもある。
 いいかえれば、マス・ソサエティ(大衆社会)における個人は、村社会とは異なり、属する社会の大きさゆえに自分の意思と社会の政治決定の間にギャップを感じても、それを表現する手段をもたない。政治的無意識が次第に社会に蔓延してくることになる。
 しかし、「さようなら原発」以降の脱原発を中心とした市民運動は、社会に定着してきている。年配の参加者が多いのは確かだが、今回の秘密保護法で国会周辺に集まった人々に世代の偏りはほとんど見られなかった。また、東京や大阪といった大都市だけでなく、多くの地方都市へも広がりをみせている。

JR札幌駅前では、札幌弁護士会が緊急の抗議行動。弁護士がマイクを手に「このように問題の多い法律は国会で審議のやり直しをさせる」などと演説し、特定秘密保護法の廃止を訴える署名活動を行った。(北海道新聞12月7日夕刊)

 この集会には市民団体や労組関係者も駆けつけ、多くの合流があったという。さきの東京新聞・夕刊は、一般市民の政治参加の様子を、またつぎのようにも報じている。

この日のデモ(12.6国会周辺)はドイツやフランスのように気軽に参加できる「楽しいデモ」がテーマで、サンタクロースのコスプレや着ぐるみ姿の行列、レゲエ音楽の演奏も。

 しかし、全体的に怒りの声を直截的にぶつけているものも多い。とくに参議院での審議が始まり、ようやく国民の間に法案の実体がおぼろげながらわかってきたとみれば、秘密事項のチェック機関として、手当たり次第に繰り出してくる「情報保全諮問会議」、「保全監視委員会」、「情報保全監察室」を安倍首相は考えていると答弁したが、明文化もされることもなく、それも政府内に設置するというのだから、第三者機関とは程遠く、客観性が担保されるものになっていない。
  そして、ついに重要な秘密事項は廃棄も可能、と閣議決定までした(朝日新聞12月6日電子版)。安倍首相は特定秘密に指定された期間が30年以上の情報について「すべて歴史公文書として国立公文書館などに移管されるよう運用基準に明記する」と国会で答弁していながら、今度は都合の悪いことは永遠に闇に葬ることもできるように、直前になってすり替えたのである。

役人がお仲間の役人の指定を批判的に検証するはずがない。突然浮上した組織はその役割分担すら不明で、まさに泥縄式だ。(琉球新報・社説12月7日朝刊)http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-216359-storytopic-11.html

 琉球新報・社説は、さらにこうした秘密法成立の強行を非難し、「許されぬ権力の暴走 解散し国民の審判仰げ」と衆議院の解散を呼びかけている。
 こうした動きや発言に加えて、広範な国民の反対運動の中から湧き上がってきた秘密保護法への対応策として、以下のようなものも注目される。

・「これからも法の問題点を追及し、廃止に追い込む」(北海道新聞)
・「法律の廃止に向けて、大きな国民運動をつくり上げることが大事」(北海道新聞)
・「自民の公約にはない法案 この国が戦後歩んできた自由な社会の軌道を外れようとするならば、私たちは声を上げることを怠るべきではない」(宮崎日日新聞・社説) http://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_2976.html

 憲法関連の声も大きかった。ファシズム勢力が壊憲の動きをいよいよ強めてくることが予想されるなかで、憲法を基盤にして民主主義をどう守っていけるのか、これからが正念場である。
・「違憲の法律」「根本的問題が解決していない」~「もっと多くの人たちと連携し、平和憲法を守る運動を広げなければ」と痛感した[県平和運動センター事務局長の福田宏至さん](下野新聞12月8日朝刊) 
・同法を「知る権利や表現の自由を奪う『憲法違反の法律』」とした上で「(安倍政権が進めようとする)改憲は危うい。一人一人が調べ、考える努力が必要」と訴えた[映画監督想田和弘さん](同上)
・第三者機関についてはくるくる変わり、成立ありきだ。四日に発足した国家安全保障会議(NSC)に合わせた。これは違憲立法で今後、各地で違憲訴訟が起きるだろう[「パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会」代表の吉沢弘志さん(60)](東京新聞12月8日朝刊) 


写真=さようなら原発署名提出行動、首相官邸前にて。左から大江健三郎、鎌田慧、落合恵子各氏。2013年11月26日(編集部)
関連記事

コメント


トラックバック

↑
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。