「日の丸、君が代」言論封殺

 もう三年前の卒業式になる。都立板橋高校の元教員が、式の開始前、出席していた保護者に、「君が代」斉唱が強制されている不当を訴えた。その発言が「威力業務妨害」に問われ、起訴された。 
 驚くべきことに、検事側は「懲役8カ月」を求刑した。さすがに裁判所はその異常を排し、「罰金20万円」の微罪にした(2006年5月30日)。 

 しかし、発言しただけで20万円の罰金、とはこれまたひどい。判決を内外各紙が批判的に報じたのは、言論機関として当然のことだった。 
 同年7月15日、その控訴審にむけての集会があった。わたしも参加した。これまで、都教委から、「日の丸、君が代」問題で処分された教員は、345人にものぼる。この人たちや、立川の自衛隊官舎に「派兵反対」のビラ入れをして、やはり罰金刑にされた被告も出席、個人の尊厳と市民の権利を守りきれなくなった裁判所への批判が続いた。 

 わたしは、発言を聞きながら、「派兵」や「君が代」の強制を批判する言論が抑圧され、政策への抗議行動が萎縮させられながらも、まださまざまな「個人」が集会にやってくる頼もしさを感じていた。 
 都教委の処分の連発は、多分に政治の「不当な支配」による。
 いじめがなくならないのは、いじめる者への迎合と黙認による。 
 行政の横暴を断つ裁判官個人の勇気が今、歴史的に問われている。

『いま、連帯をもとめて』大月書店、2007年6月

(注) 12月6日付「言論封殺に抗して」で触れましたが、「君が代・日の丸法案」の国会答弁で、当時の有馬朗人文部科学大臣(前東大総長)は、法案が通っても国民への強制など決してありませんと断言したにもかかわらず、実態はこのように国民に網を広げて強制の道具となっています。
もし秘密保護法を一年後の施行までに廃止に追い込むことができなければ、無数の網で国民は縛られることになります。国民主権など完膚なきまでに破壊されてしまいます。法案の条文には結局36か所もの「その他」が残り、どんなふうにも適用することが可能となっています。これは安倍政権による日本の立憲体制を一掃する一種のクーデターだと考えるべきです。(藤崎)
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